「NPO法人Stand by」を訪問し、お話を伺いました
こんにちは。
川崎市立看護大学のボランティアサークル「川崎リンクス」のAです。
川崎つながろ会の「地域を知ろう!学生記者が聞いてきました」企画の一環で、児童発達支援・放課後当デイサービス・相談支援を提供している「NPO法人Stand by」を学生3名で訪問し、代表者の伊藤直弥様のお話を伺ってまいりました。
(学生記者)お仕事の内容を教えて下さい
(伊藤様)Stand byは児童発達支援・放課後等デイサービス・相談支援を行っており、小児のコミュニケーション支援や音楽活動、運動支援をしています。その中で私は利用する子どもにあった機器を作成したり、子どもに必要な機器を海外から探して提供してその子にあった支援や必要なものは何かを考えて少しずつ改善したりしています。また、困ったことについて話を聞いたり、不便を無くすために自分に出来ることを常に探して活動をしています。
他にはライフハックという企業も設立しており、子どもから大人まで利用者にあったものを提供し、利用者から不便を取り除いていき、生活のしやすい環境になるように機器の提案や作成をしています。
(学生記者)この仕事についた契機や理由などを教えていただけますか
(伊藤様)整形外科で使用するオペ用の器具など、医療機器を取り扱う会社に勤務していましたが、2007年頃にアイトラッキングを取り扱う会社へ転職しました。そこで、アイトラッキングの技術が障がいのある方々にも活用できるのではないかと考えました。当時は「視線入力」という言葉自体が存在していなかったため、その言葉と視線入力装置の普及に力を入れてきました。
2021年に株式会社ライフハックソリューションズを設立し、2024年にStand byをオープンしました。
(学生記者)なぜ児童のサポートを始めたのですか。きっかけを教えていただけますか
(伊藤様)ライフハックでは大人に限らず、SMA(脊髄性筋萎縮症)などの理解はできるが体を動かすことが難しい子どもにも機器を提供していました。言語や知的理解が難しい子どももいるため、Stand byで児童のサポートを始めました。
(学生記者)仕事をする上で工夫していることや意識していることはありますか
(伊藤様)ライフハックでは、日本でも活用できそうな機器を海外から探して販売しています。販売の際には、その機器を使うことで生活の質がどのように上がるのか、使うとどうなるのかを提示し、「その先の光」を見せるようにしています。たとえば、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を受容できていない方には、不便にならないための工夫を伝えています。
また、「死にたい」などのネガティブな言葉を聞いた際には、ポジティブな未来を見せるような言葉を心がけています。
(学生記者)Stand byで扱っている機器について教えていただけますか
(伊藤様)Stand byでは、COSMOやSoundbops、視線入力装置などを扱っています。
〜伊藤様に実際の機器を見せていただきました。〜
↑COSMOと接続したiPadを用いることで、個々の障がいにあった遊びをすることができます。
↑Soundbopsは手がうまく動かせない方でも、カラフルなチップを重ねることでコードを作り、演奏することができます。
↑視線入力装置をセットしたPCを使うことで、目の動きだけで遊ぶことができます。視線入力装置を用いて遊ぶことで、視線入力に必要な目の動きの練習をすることができます。
(上の写真は、アイアドベンチャー内のゲームの一つで、モンスターに目線を合わせ撃退していくゲームです。)
(学生記者)地域連携で意識していることは何かありますか
(伊藤様)機器を導入する際、使い方が分からないと混乱を招いてしまうため、情報共有は慎重に行っています。
(学生記者)「ポジティブな未来を見せる」ために気をつけている言葉などはありますか
(伊藤様)言わないように意識している言葉はあまりありません。
もちろん、安易に「大丈夫ですよ」などの見え透いた嘘はつきませんが、言葉を意識するよりは未来に意識を向けられるように工夫しています。その方の興味があることからその先が見えるように、終わらせないように声掛けをしています。
(学生記者)今後の展望や目標を教えてください
(伊藤様)今までは機器の販売を通じて“光”を見せる道案内をしていましたが、案内した道通りに進めていない方もいます。今後は、そんな方々が“光”にたどり着けるように、お尻を叩くと言いますか、伴奏する役割を担いたいと思っています。
(学生記者)最後に、この記事を読む方へ一言お願いします
(伊藤様)生活している上で困りそうなことや悩みがあったら、ぜひ相談に来てみてほしいです。
お話を聞きますし、もしかしたら何か解決できることがあるかもしれないです。
事業所紹介
〈株式会社ライフハックソリューションズ〉
〒332-0011埼玉県川口市元郷2-13-1
〈NPO法人Stand by〉
Instagram: https://www.instagram.com/npo.standby?igsh=MWF1MDZrdTE5cHBnZQ==
〒233-0003神奈川県横浜市港南区港南3-36-7笹川Gマンション101
学生記者の感想
学生記者A:フランクで話しかけやすいお人柄な伊藤様だからこそできる支援があると感じました。また、生活する上での不便をどのようにしたら取り除けるかという考え方やポジティブな声かけの仕方など、看護学生として学ぶべき姿勢が多くありました。
学生記者Y:常に人にポジティブな声掛けをしてらっしゃるとお聞きして、改めて伊藤様の人柄の良さに気付かされました。また、「子供から大人まで生きやすい環境を作りたい。」「不便を取り除きたい。」という思いを知ることができ、困ったら相談出来る場所があり安心出来るなと思いました。
学生記者H:機器の販売を通じて光を見せるだけでなく、「その光にたどり着けるように伴走する」という伊藤様の言葉がとても印象的でした。困っているときに、ポジティブなお声掛けをしてくださる伊藤様のような方がそばにいてくださることで、安心して前に進めるのではないかと感じました。
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