4月定例会のご報告

皆さん、こんにちは。

川崎つながろ会の杉田どぇす。

 

新年度から一カ月ほど経ちましたが、異動や転勤など身の周りに大きな変化があった方たちはボチボチ落ち着いたでしょうか。

 

毎年この時期になると2009年の4月を思い出す。

 

その前月の3月11日に吹田のスタジオで撮影の立ち合いをしていた私に電話がかかってきた。ケータイを見ると部長の表示。

大きな案件が動いているときにしか電話がかかってくることのない名前だ。

「?」

電話に出ると「いまどこ?」と聞くので場所を言うと「今から常務(だったと思う・現社長)と行くわ」と。

(来たよ)と思った。

当時、首都圏の業績は右肩上がりで大きな案件も増えていた。ウチの部署からも毎月のように出張に出ていた。

3人で近くのファミレスに入った。案の定、首都圏への異動・転勤の話だった。

それにしても3月11日に吹田のファミレスで初めて聞かされて4月1日には向こうにいなきゃいけないって、住むとこどうすんのって話しで。

結局、約一カ月ホテル暮らし。狭いシングルの部屋に。

あのわびしい一カ月は、今思えば貴重な経験だ。

振り返ってみると、その後の生活というか、境遇を考えると「こっちに来といてよかった」とつくづく思う。

と、そんなことを思った春の昼下がり。

 

それでは4月定例会のご報告、いってみよー。

 

今回はわが街、武蔵新城のカフェ「千年共店(ちとせきょうてん)」さんで開催しました。

千年共店さん、ありがとうございました!

 

 

1.参加者

当事者:4名、当事者家族:3名、介護職:2名、看護学生:7名、支援者:2名、取材:銭場記者

 

2.自己紹介と近況

佐藤雄二さん:原稿執筆中。PPSスイッチが故障し対応中。

雄二さんご家族:新学期を迎え5校で教えている。ジブリ化画像を作っている。塗って焼いたらメロンパンを作っている。

訪問入浴でお馴染みアサヒサンクリーンがスポンサーをするFC町田ゼルビアレディースを応援している。

杉田どぇす:皆さん、武蔵新城へようこそ。介護者向けの動画編集が終わり、横浜リハビリテーション専門学校での講義に向けた準備をしている。

応援するアメフトチーム、オービックシーガルズが6連覇達成を目指すパールボウルが始まる!富士通スタジアム(川崎)での試合を応援に行こう!

杉田どぇす家族:皆さん、武蔵新城へようこそ。新城は飲み屋が多い素敵な街なの。「続・続・最後から二番目の恋」を楽しみに観ている。

看護学生Kさん:川崎リンクスの新入生に向けた説明会を実施。新規1年生獲得に苦戦中。応援ヨロシク!

看護学生Tさん:実写版白雪姫を観た。厳しいご意見が多い様ですが私は好きよ。

介護職Sさん:杉田どぇすのヘルパー。趣味は洗車。

銭場記者:福井に初上陸し禅の道場大本山永平寺を訪ねた。現代でも厳しい修行をする僧がいる事に感銘を受け、自身も見習う事にした。

支援者Oさん:テニスのビリー・ジーン・キング・カップを有明で観た。

旧フェドカップで、国どうしの戦い。青山修子/柴原瑛菜が競り勝ち、日本のファイナル進出を決めたの。

生のスポーツ観戦って本当にいいですね、さよなら、さよなら、さよなら。差し歯が抜けた。たけのこ煮た。ホットヨガラバでピラティスを始めた。

支援者Kさん:妻の強い要望により水素吸入器を購入。私も老化に抗います。

当事者Nさん:介護ベッドを導入しました。執筆した「難病と在宅ケア」が出版されたのでご覧ください。

介護職Hさん:元杉田どぇすのヘルパー。一昨日早戸川にマス釣りに行った。釣れた、食った、美味かった。

脳トレをやったら脳年齢が実年齢より上の36歳だった。しょぼん。

髙野会長:人工呼吸器をASTRALに替えて体調が良くなった。

看護学生Wさん:看護研究ゼミに怖い先生がいたが、積極的に接するようにしたら仲良くなったのでもう怖くなんかない。

看護学生Sさん:都内の病院の就職試験を受けた。私は東京の女になるのよ。5月から3か月の実習。10月からは国試!

 

3.決算報告

・承認

 

4.お悩み相談

Q.学生ヘルパーに来てもらうにはどうしたら良いのでしょう

A.

・基本的には介護事業所を通して紹介してもらう。

つながろ会に来ている川崎看護大生は、髙野会長運営の介護事業所に所属しているが、第三者への斡旋は行っていない。

 

Q.文字盤等による意思表示のコツが知りたい

A.

・髙野会長は透明文字盤使用。透明文字盤では介助者者が利用者と目線(高さ)を合わせその中間に文字盤を持ってくる。

行を確定させてから段を確定。透明文字盤にも色々なタイプがある。

・杉田どぇすは口文字方式。口の形で段(あいうえお)を表現する。介助者は行(あかさたな…)を言い、利用者は意図する文字の所で合図を送る。

濁点の場合等についてもルールを決めておく。

ALSの師匠岡部さん参加のイベントで体験した。ICT救助隊イベントでも体験できる。

・佐藤雄二さんは小さい文字盤に記した行の方向に視線を向け行を表現。介助者が段を言って確定させる。

・色々な方法を試して利用者に合った方法を見つけるのが良い。

・目を動かしやすい方向も人によって違うのでそれに合わせる。

・YouTubeでも紹介されている。専門職で言うと作業療法士。川崎ではリハビリテーションセンターの在宅支援室を頼るべし。

 

Q.要介護者を外出させたい。看護師に同行してもらう必要は?

A.

・外出している当事者ははお手本のように見えるが、外出をさほど望まず生活を楽しむ人もいる。本人が望んでいる事が前提なので。

・重度訪問介護の移動支援を使ってヘルパーに同行してもらう。

・単発でヘルパーを頼むのは難しい。「おっさんレンタル」で介護経験者に依頼した例はある。

・訪問看護師には普通頼まない。

 

5.今後の活動

(1)海老原ひろみ基金

髙野会長:これら3つを織り込んでエントリして欲しい。

・映画「杳かなる」上映会

・杉田さん写真ライブ

・学生ボランティア育成、学生記者取材

(2)羽田空港見物

・6月1日(日)開催。西牧さんがFBでイベント立てる。

(3)アメフト・オービックシーガルズ応援(トーナメントを勝ち進む前提で)

・5月25日(日)16時~セミファイナル@富士通スタジアム川崎

・6月14日(土)14時~ファイナル@富士通スタジアム川崎

 

6.次回定例会

2025年5月18日(日)13時時30分~16時

会場:多摩市民館

以上、4月定例会のご報告でした。

 

 

ユージの部屋

冷たい雨にたたられた今年の桜、皆さんいいタイミングでお花見はできだろうか?私は一週間のレスパイト入院の初日が曇天ながら満開直前、退院日が晴天で満開直後に当たり、病院前の桜並木を楽しむことができた。さて今回のユージの部屋は、そのレスパイト入院について。

レスパイト入院とは?

ググってみると、「レスパイト(respite)とは、”休息””息抜き”という意味で、在宅介護・医療を受けている人の介護者の休養を目的とした短期入院」とある。治療や検査ではないのに病院に”滞在”させてくれる仕組みで、私の場合は横浜市の「難病患者一時入院事業」(下の横浜市ホームページ参照)のお世話になっている。

いくつかの制約

“役所がからむ制度”らしいのが、二ヶ月前には日程を決めて申し込む必要があること。急用には対応してくれないのだ。また、治療的なことはしない前提なので、残念ながらリハビリはなし、ラジカットやロゼバラミンの投与もやってもらえない。胃瘻からの経管栄養の利用者には経口での水分摂取は一切認められない。これは普段お茶を口から飲んでいる身には、喉が渇いて辛かった。薬はもちろん栄養剤ラコールも予備も含めて本人が持ち込む必要があるので、入院の荷物は20kg近くになる。

 

サバイバル?のために

昨年7月の初回は、初めての病院でもあり、恐る恐る準備した。「ただでさえ忙しいところに手間のかかる、、、」というぼやきが聞こえそう雰囲気の中を、何とかサバイバルする姿を思い浮かべていた。ALSの検査、治療、治験での三病院計八回の入院体験から、ある程度の苦労、忍耐を覚悟していたが、いい意味で裏切られた。先ずは個室に案内されてびっくり、大部屋が満室なのか?説明はなかったが、就寝時に使う呼吸器NPPVの稀にある異常を知らせるアラーム音が同室者に迷惑をかけることを避けるための措置だろう。事前に渡したトリセツやエア文字盤の説明を読んでくれていて、入院受け入れを担当した看護師さんに至っては直ぐにエア文字盤を読み取ってくれて、またびっくり。もちろん全員がそのレベルとはいかないが、ホスピタリティというか余裕を感じさせる雰囲気があった。また、起床後就寝まで車椅子に座って過ごしたいという希望も叶えてくれた。毎回三人がかかりで移乗してもらった。

 

準備とその効果確認

“佐藤雄二のトリセツ”、iPadの接続説明シート、指差し文字盤、エア文字盤の読み取りシート、といったものを作って持ち込んだ。トリセツを熟読してくれてコミュニケーションもエア文字盤でスムーズに対応してくれる人、指差し文字盤は使ってくれる人、自分の経験だけを頼りに対処する人、担当してくれた看護師さんは様々であったが、サバイバルは杞憂であった。更に準備次第でもっと”滞在”の居心地は良くなるし、トリセツに手を入れるべきところが沢山あることに気づいた。昨年7月、12月に続いて三回目も同じ病院へ。最初に第一希望に選定した病院が思いのほか快適な”滞在”を提供してくれたので、”リピーター”となった。二回目、三回目は思いついて準備したことの効果確認の場であり、次の機会に備えてやるべきことに気付き、その案を練る場でもあった。病室をもう一つの”雄二の部屋”にするために知恵を絞りその効果を実感できると、なかなか楽しい。例えば、指差し文字盤はこんな感じに進化した。病室もこんな感じで、色々貼りまくっている。貼ると言えば、そのアクションの瞬間に目に入るところに貼ったテプラは最強の情報伝達手段である。作りこんだトリセツでもかなわない。

 

病室も貼りまくり

 

テプラの力!瞬時に完了

 

三回目の会心の一手! 三つの“悩み”を一気に解決 

1 メガネの置き方雑

2 メガネ拭きが見つからない

3 リップクリームが迷子になる                           

 

理解者を増やす

三回目ともなれば、馴染みの看護士さんも増えてくる。担当でもないのに顔を見に来てくれたり、初めて担当する人に”佐藤雄二の取り扱い”のポイントを伝授してくれたりする。馴染みになるまでは、こちらもその人が使ってくれる伝達手段を探る。敢えて色々お願いしてみる。得意技をつかんだら必ずそれをお願いする。余談ながら、耳掃除が得意な人は偶然二人も見つかった。回をこなして理解者を増やすことが、居心地改善の本筋だと思う。これまた余談になるが、同じ系列の川崎にある病院でとてもお世話になった看護師さんがこの四月の異動で横浜に来ていて、二年ぶりなのに覚えていてくれて嬉しかった。

 

在宅療養の常識は病院の常識ではない

自宅で毎日同じ介助を受けていると、それが”常識”と思ってしまい、病院での対応にびっくりすることが、胃瘻の関連で二つあった。私の胃瘻はお腹にあるボタンに栄養剤をつなぐアダプターチューブを差し込んだら、時計回りに回すことで(マニュアルでは270度)、接続部分が外れなくなる仕組み。「差し込んだら回す」は、胃瘻の”基本のき”だと思い込んでいた。ところが、この病院では誰も回していないことに、ラコールが漏れて初めて気がついた。エア文字でミニ説明会をやったり、写真を撮って共有してもらってしのいだ。二回目にはトリセツに追加した。二つ目は加圧バッグ。今年に入って三食ラコール半固形にしたので、当然のように加圧バッグを持ち込んだところ、病院では半固形タイプを入れる時は、中身をシリンジに取って入れているという。なんと手間のかかる!従って加圧バッグを使ったことのある人は皆無であった。引継ぎで概要は伝わって行ったが、慎重に手順ごとに私に確認しながら進めてくれる人、途中で分からなくなって先輩を呼びに行く人、加圧はできたが、空気の抜き方がわからず、空気圧のインジケーターを力ずくで引っこ抜こうとする人までいた。

 

三回目のトリセツ・胃瘻のページ

 

馴染みが増えた日

今回の締めとして“湿っぽい”どころでは済まなかった事件を、プロジェクトX風に報告する。

車椅子トイレの中、それはいきなりのことだった。雄二は車椅子に移乗のため看護師Aに抱えられていた。B、Cは腰を支えていた。雄二の背中を突然激しい放水が襲った。水しぶきは三人もずぶ濡れにした。車椅子を操作するため応援に駆けつけた新任師長まで巻き添えにした。便器に水を送る金属のパイプが外れて水が吹き出していた。看護師たちは雄二を安全に車椅子に座らせて安堵した。病室に戻ってずぶ濡の雄二を着換えさせるころから、冗談が出始めた。みんなの笑いが止まらなかった。雄二は看護師たちのやり取りが可笑しかった。「トイレ美女ビジョ事件!」と思いつき、また笑った。看護師たちは一番の被害者が笑っているのが可笑しかった。危機的?状況から無事?抜け出した解放感があった。一緒に酷い目に合った一体感もあった。雄二に新たな馴染みが三人増えた日となった。♪風の中の昴、、、

佐藤雄二

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