3.17講演会のご報告
皆さん、こんにちは!
川崎つながろ会の杉田どぇす。
今月は定例会ではなく講演会を開催いたしました。
ALSの症状で最も気になるのはやはり「呼吸機能」に関することかなと思います。
当事者だけでなく、医療、福祉関係者の関心も高いテーマと言えます。
さらに、気管切開をした体で飛行機に乗ってスイスへ行くという、なかなかの冒険話を聞けるとあって、
会場、オンライン合わせて50名以上が参加していただき盛況でした。
講演動画はこちらから。
どちらも現場で試行錯誤し、どう患者と向き合ってきたかがわかる貴重な内容になっております。
予定が合わず当日ご覧いただけなかった方もぜひご覧ください。
閉会挨拶
ご参加の皆様。本日は「川崎つながろ会」主催の講演会のためにお時間を作っていただき、誠にありがとうございます。
本日は、呼吸機能に関するリハビリのお話が中心でしたがいかがでしたでしょうか。
去年、小泉さんのお話を聞いてつながろ会でぜひやりたいと思ったテーマでした。
治療方法のない私たち神経難病患者にとって、リハビリが最も有効な治療であり、相当の効果が得られる可能性があります。
佐藤さんもそんな現場で試行錯誤を繰り返し、絶大な効果を実感したスタッフの1人でした。
私自身、LICトレーナーをやり始めてすぐに血中酸素飽和度が2パーセント改善し、今でも最低1時間は呼吸器から離脱可能です。
これは私のQOL維持の重要な要素になっています。
この機会に今一度リハビリについて見直してみてはいかがでしょうか。
今回の講演が皆様のより良い療養生活に繋がれば幸いです。
そして髙野会長の「スイスで行われたALS国際シンポジウム参加報告」ですが、
あらためて私たち重度障害者の移動にはいくつもの高い壁が存在することがわかりました。
しかし、それも乗り越えられる壁だということも身をもって示してくれました。
今日をきっかけに、あとに続くチャレンジャーが現れることを期待しています。
最後になりましたが、佐藤ゆずはさん、小泉義久さん、そして髙野会長、本日は貴重なお話をありがとうございました。
会場の様子(撮影:コサカシンタロウ)
次回定例会は4月21日、13時30分から16時まで・福祉パルたまにて開催します。
オンラインでもご参加いただけますのでお気軽にお申し込みください。
申し込みは後日Facebookページにてご案内いたします。
付録
まずはこちらの動画をご覧ください。
これは最後テロップでもありましたが、収録は2004年11月23日と24日。
最初に放送されたのは2005年3月17日。
そして2008年3月10日の再放送を最後に現在まで放送されていません。
約20年前、村治佳織がピークに向かってキャリアを積んでいるさなかの伸び伸びとした演奏を収めた貴重な映像です。
なぜ貴重かというと、現在この映像はNHKオンデマンドになく、YouTubeにも数曲しかないし
映像作品として販売されてもいないのです。
ロケーション、選曲、演奏、どれをとっても最高の作品だと思うのですが、なぜかどこにもないのです。
幸い、私の録画データがVOB形式ですが残っていて、そこからMP4に変換しカラー補正してYouTubeにアップ。
映像はデジタル放送前なので少々荒いですが、音のクオリティがいいので十分視聴に耐えられると思います。
一点、残念なことに1分ほど欠けている箇所があるんです。オーバー・ザ・レインボウ。
当時は、これほどのクオリティなので作品として販売されるはずだと確信していました。
それまではこの欠けたやつで我慢しとこう、という考えだったのですが待てど暮らせど販売されません。
そんなわけで当時の「欠けたデータ」を後生大事に持っていたのでした。ラッキー。
それにしても延暦寺というロケーションが最高で、これ観た後行きましたもん、比叡山・延暦寺。
映像にもありました根本中堂。あの中にご本尊を奉った須弥壇があるのですが、見る限り床がなく地面に直接設置されているんです。
要するに、あの建物は床がない、壁と屋根だけの「囲い」みたいなものなんです。
そういった原始的な雰囲気を醸す中、灯りは最低限の数と照度になっていて、暗くて堂内全体を見通すことはできませんでした。
日本の寺社仏閣は木造建築なので西欧の石とガラスによる教会建築のように高さと光の演出によって神秘性や荘厳さを醸すことはできず、
深い軒や御簾で光をコントロールし、奥行きや陰影を巧みに利用することで神秘性や荘厳さを生み出してきました。
あえて暗く、いや陰影を強調することで神秘性を感じさせているんですね。
そんな雰囲気の中、1曲目の導入部の鋭く力強い「静と動、そして間」。印象深い「不協和音」。
そこから美しいトレモロ~揺らめき~へ。
選曲にしびれる。
そしてクライマックスは、
琵琶湖から望む比叡山。その奥に沈む夕日。
夜の帳が下りる中、一音一音響くラルゴが心を静かにしてくれる。
そして夜は深まり「すべては薄明の中で」。
この一連の流れ。
もう何度観たかわからないが、今観ても胸に迫るものがある。
以前、押尾コータローのカバティーナの解釈が好き!と言いましたが、
村治佳織の「すべては薄明の中で」の解釈がとても好きで、
聴くたびにその世界観に引き込まれる。
力強く鋭い音と間。かと思えば、月明かりを映す水面のように奏でたり。
世界でも屈指のプロ演奏家としてソロで活躍するってこういうことなんだなぁ…と、その卓越した表現力に感動してしまう。
そうやって観ていると村治が菩薩に見えてくる。もう手を合わせるしかないのだ。
今回は限定公開でこのブログをお読みいただいた方だけがご覧いただけます。
どうぞお楽しみください。
あらためて楽曲紹介(14曲)
デイアンス作曲
サウダージNo3 F・クレジャンスにささぐ
バリオス作曲
過ぎ去りしトレモロ
ヘンデル作曲/村治佳織編曲
ソナタ 作品1-15からアダージョ
仲田章作曲/武満徹編曲
ギターのための12の歌 早春賦
J・レノン/P・マッカートニー作曲/武満徹編曲
ギターのための12の歌 ヒア・ゼア・アンド・エブリウェア
J・レノン/P・マッカートニー作曲/武満徹編曲
ギターのための12の歌 ヘイ・ジュード
アイルランド民謡/武満徹編曲
ギターのための12の歌 ロンドンデリーの歌
エピタフィオスから テオドラキス作曲
第7曲 不死の水
エピタフィオスから テオドラキス作曲
第4曲 わが星は消えて
エピタフィオスから テオドラキス作曲
第6曲 君は窓辺にたたずんでいた
H・アーレン作曲/武満徹編曲
オーバー・ザ・レインボウ
ヘンデル作曲/村治佳織編曲
ソナタ 作品1-15からラルゴ
武満徹作曲
すべては薄明の中で
L・リード&B・メイソン/武満徹編曲
ラスト・ワルツ
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