「ケアパートナー優心」さんのお話を聞いてきました!
川崎市立看護大学のボランティアサークル「川崎LINKS」のA.Yです。
川崎つながろ会の「地域を知ろう!学生記者が聞いてきました」企画の一環でケアパートナー優心を訪問して
相談支援専門員兼主任介護支援専門員の佐藤富美子さんにお話を伺ってきました。
〈仕事内容〉
(学生記者)仕事内容を教えていただけますか。
(佐藤さん)仕事内容は、相談依頼のあった高齢者や障害者の方々の相談内容の聞き取り、
支援内容に基づいたサービス調整とサービス計画書の作成、モニタリング、
各サービス事業者・医療・各支援者との連携や連絡、月1〜3回の自宅・施設訪問による身体や生活状況の把握などです。
現在は12歳から94歳の利用者さんが在籍しています。幅広い年齢層を支援していることはケアパートナー優心の一つの特徴でもあります。
〈仕事に就いた経緯〉
(学生記者)なぜこの仕事に取り組もうと思ったのですか。
(佐藤さん)まず、平成12年に介護保険の導入がきっかけで、今後は介護の仕事が主流になると思い、
ヘルパーの資格を習得しました。そこには、どんな形でも人の役に立ちたいという思いがあったと思います。
その後、ヘルパーとして働く中で、難病を患う方々と接する機会が多くありました。
その際に、より専門的な知識が必要だと感じ、自ら勉学に励むようになりました。
また、私がヘルパーとして働いていた際に、当時の相談支援専門員の方の仕事に疑問を抱きました。
それを踏まえて、利用者にとってより良い支援を提供するために、実際に自分が相談支援専門員という仕事に取り組もう思いました。
〈仕事をする上での工夫・意識していること〉
(学生記者)仕事をする上で工夫していることや意識していることはありますか。
(佐藤さん)私が工夫、意識していることは三つあります。
一つ目は、対人援助職であることです。相談支援専門員の役割は、その人が望む暮らしを実現するために必要な社会資源に繋げることであり、
そのために必要な情報を得るために動くことです。相談支援専門員が利用者本人や家族の意向を全て受け止めて動くのではありません。
希望を聞き、必要な物資や人につなぐことを意識しています。
二つ目は、適切な距離感を保つことです。
距離が近過ぎてしまうと支援をし過ぎてしまうことにつながり、利用者本人や家族のためにならなくなってしまいます。
そのため、適切な距離感を保ち、利用者さんの強みを活かした支援が行えるように意識しています。
三つ目は想像力を持つことです。
ご本人の苦しさや辛さを全て理解することはできないですが、支援が必要な状態に自身が至ったらどう思うか、
どう感じるかと考えることを常に心がけています。その上でコミュニケーションをとり、互いを理解して信頼関係を築くようにしています
〈地域包括ケアについて〉
(学生記者)地域連携で地域包括ケアの一員として意識していることは何ですか。
(佐藤さん)地域連携で意識していることは大きく分けて二つあります。
一つ目は、「地域を知ること」です。今活動している地域がどんなところか、いいところも悪いところもどちらも把握することが重要です。
近所で助け合う「互助」を地域の基本にしていくために、具体的には、「支援を必要としている方々が住んでいるという環境を知ること」
「活用できる社会資源などによりつながりを作ること」のサポートをしています。
二つ目は「支援者同士のつながりを作ること」です。サービス事業者、高齢・障害福祉施設や通所、医療施設(病院、クリニック等)、
相談支援センター、行政、区役所などにいるさまざまな支援者同士のつながりを、できるだけ幅広く、数多く作っていくことを意識しています。
〈展望・目標〉
(学生記者)佐藤さんの今後の展望・目標を教えてください。
(佐藤さん)より良い相談支援専門員になるために、勉強を続けていきたいと思っています。
私は以前ヘルパーとして働いている時に、当時の相談支援専門員の方の仕事に疑問を抱きました。
具体的に言えば、困り事が解決されていない場面に多く出くわしたり、形だけの仕事をしていると感じたりすることがありました。
その経験を踏まえて、何のための支援員なのか役割をしっかり把握し、名ばかりの支援員にならないようにしたいと思います。
利用者の方に、相談支援専門員に入ってもらって暮らしが良くなった、困り事がなくなったと言われるように動きたいです。
将来的には、私と同じ考えを持つ人々を増やし、利用者にとってより良い支援を提供できるように努めていくことを意識して活動していきます。
〈最後に一言〉
(学生記者)最後にこの記事を読む方へ一言お願いします。
(佐藤さん)私が伝えたいことは二つです。一つ目は声をあげてほしいということです。
川崎市は他の自治体に比べて社会資源が極めて少ないと感じます。そのため、支援者だけでなく、
実際に資源不足で困っている当事者の方々から声を上げてもらうことが必要です。
もちろん私たちも一緒になって声を上げていきますので、勇気が必要だと思いますが、一緒に声を上げていきましょう。
二つ目は、ご経験されていることを語ってほしいと思います。つながろ会などでALSの方々だけでなく、
さまざまな神経難病の方々と話をして輪を広げ、繋がってほしいです。
〈事業所紹介〉
合同会社SHIN ケアパートナー優心
〒312-0023 神奈川県川崎市高津区子母口701-2アメニティハイム101号室
〈取材を通して感じたこと〉
学生I: 今回の取材の中で印象に残ったことは、地域連携が実際に十分取れていないというお話です。
地域連携を学んでいる学生として自分もさらに様々な活動に参加していきたい、連携が取れるようなシステムづくりが
もっと進んでいけるようになればいいなと改めて感じました。
学生H:取材を行い、相談支援専門員の仕事やケアパートナー優心さんの特徴、
佐藤さんがどのようなことを意識して仕事をしているのかを知ることができました。
お話を聞いて、私も名ばかりの医療者とならないように今後の大学での学習に取り組んでいきたいと思いました。
そして、私自身、これからも人との繋がりを大切にし、輪を広げていきたいと感じました。
学生A:取材を通して相談支援専門員やケアパートナー優心さんについて学ぶことができたとともに、
佐藤さんの仕事に対する思いや今後の展望など、非常に向上心を持って取り組まれていることがわかりました。
現場でのさまざまな経験をされているからこそ、より良い支援のために行動を怠らない佐藤さんの姿勢に心打たれました。
私も大学で学びを深め、人と繋がり発信することを大切にしていきたいと思いました。
学生T 利用者様に対し真摯に向き合い、利用者様に寄り添った支援を行う佐藤さんの姿勢に感銘を受けました。
また、考え方の中で、介護福祉のみではなく、今自分たちが学んでいる看護にも通づるものがあり、看護と介護の接点に気づかされました。
佐藤さんのように、形だけの仕事をするのではないということを念頭に置き、そのような医療従事者になれるよう私も励みたいと考えました。
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