カヴァティーナと月例会報告
こんにちは!
川崎つながろ会の杉田どぇす。
さぁて、、、8月定例会もリアルとオンラインのハイブリッド開催の予定でしたが、
今や日本は新型コロナの新規陽性者数で世界一となるほどの状況。よって今回はオンライン開催のみとなりました。
2022年8月14日13時半~16時
当事者:6名(多系統萎縮症1、ALS5)、当事者家族:3名、支援者:4名(うち1名看護師)
川崎市立看護大学生・見学2名
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
では、まずは近況報告から。
ALS当事者Kさん(日中は座位保持、気切なし):長く寝床の問題で悩んでいたが、エアマットを導入しようやく解決。
リフトも導入した。視線入力は相変わらずうまくいかないが。
※寝床問題、長らく悩んでおられましたが解決して本当に良かったです。
あとは視線入力ですね。これも必ず解決できるのでお手伝いできそうなことあれば何なりとお申し付けください!
ALS当事者家族Sさん(長らくほぼワンオペ介護・当事者は日中車椅子・気切なし):以前、区分認定について相談したが、
この度、障害区分6に認定されました。
※良かったです!今後は介護体制をSさん中心から徐々に介護者に移して、Sさんの負担を少しでも軽減できればいいですね。
ご相談・ご質問
Q1.寝るときに仰向けになると息苦しくなるので、横を向いてないと眠れない。皆さんはどうでしたか。
A.
気切アリ当事者3名中3名:「気切前は私もそうだった(合唱)」
Q2.入院時に車椅子の持ち込みは可能か。
かかりつけである聖マリアンナ病院から検査入院のお誘いがあり、今度入院することになった。
日頃から車椅子で過ごしており、長時間の使用にも耐えられるよう座面など工夫もあるので、
普段から使用している車椅子を入院時も使用したいがそれは可能か。
病院に相談する前に皆さんに伺っておきたい。
A.
・私も聖マリです。介護保険枠でレンタルしている車椅子を自宅以外の施設で使うのはNG。在宅で使うことを前提にしているから。
当時は普通の小さい車椅子で、私たちはそんなこととは知らずフツーに持ち込んだが病院側からは何も指摘されなかった。
まだ足にしっかり力が残っていたこともあり移乗もしてくれました。
・病院は嫌がるかもしれないが、持ち込んでしまえば強く否定はされない。
・この車椅子でなければダメな理由、移乗に不便ない事等を説明できるようにしておく。
Q3.7月にALSの確定診断が出たばかり。主治医からはできるだけ仕事を続けることを勧められました。
進行が早いように思うが今後、どのようにしたらよいか皆さんの経験からアドバイスをいただければと思います。
・リハビリを早く始めましょう。特に呼吸のリハビリは息苦しさを感じる前に始めるべきです。
私は息苦しくなってから「バイパップ」という、マスクをして肺に空気を送りこんで
呼吸を補助する機械を使おうとしたのですが、私の呼吸が弱すぎて「空気に溺れて」息ができない状態になってしまい、
結局使えずじまいでした。そんなことにならないように早めの開始を勧めます。
・呼吸器の設定で聖マリに入院した時、自費購入した「LICトレーナー」を勝手に持ち込んで
「これでリハビリできませんか」と相談したら「やりましょう!」みたいな感じでやってくれました。ちょっと意外でした。
呼吸に関する専門のリハ職の方が担当してくれた上にあれこれ調べてくれていて安心でした。
聖マリで実績作った後なので聖マリから訪問医に話してもらい、在宅でもスムーズに導入できました。
・呼吸の機能が落ちて肺の収縮が小さくなると肺の柔軟性が失われてゆきます。
リハビリは肺の柔軟性を維持するために行うものと考えれば、おのずと早く始めるべきリハビリである、となります。
柔軟性が損なわれてから再び元の柔軟性を取り戻すのは困難な場合もあるので、呼吸リハはできるだけ早く始めましょう。
・仕事はできる限り続けてください。目標を持ち、規則正しい生活を送るために最適かと思われるからです。
・仕事が心身共に大きな負担となるなら、今後の療養生活構築のための活動にシフトするのもアリかと思います。
療養生活の構築には時間と労力が必要ですから、これも早めに準備を始める案件かと思います。
・筋肉に過剰な負担をかけると良くないので、そうならないよう作業療法士などに相談し、保護具等工夫しましょう。
・傷病手当て、障害年金をもらうのが良いが、適切な時間を過ぎると損する。
今回はALSの確定診断がでたばかりの方が初めてご参加くださいました。
ご本人はもちろん、ご家族のショックも計り知れないものでしょう。
私たちは神経難病に罹患して何年も経ちますが、だからと言って他の罹患者のお気持ちがわかるわけではありません。
その人のそれまで歩んでこられた人生で得た価値観はその人固有のものであり、
同じ病に罹患したからといって病に対する向き合い方は同じではなく、人それぞれなのです。
そういう考えのもと私たちは、お一人お一人のお話に傾聴し、その人に必要な情報や経験をお伝えします。
幸い、川崎つながろ会には当事者だけでなく、
経験豊富で「力になりたい」という気持ちの強い医療職、介護職が参加してくれています。
何か不安なことやご相談などありましたら些細なことでも躊躇せずご連絡いただければと思います。
最後になりますがこれだけは忘れないでください。
「ALSは生きるための技術が確立されている病」
だということを。
注:リハビリや療養生活に関することは必ず医師や看護師などの医療者や、
作用療法士、理学療法士、言語聴覚士などの専門職の方と相談しながら進めてください。
月例会の報告は以上です。
来月以降も当事者の方、ご家族の方、福祉・医療に携わる専門職の方、福祉に興味がおありの方、
杉田のひとりごとに興味がある方などなど、お気軽にご参加くださいね~!
※ご意見、ご相談等はずーっと下にあるコメント欄で受け付けておりますよ。お気軽にどうぞ。
人間の尊厳、自由や幸福を求める心、そして命。
こういった本来守られるべき人類共通の普遍的な価値を破壊し、奪い取るもの。
それが戦争であり戦場なんだということを訴える映画、
「ディア・ハンター」
ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、メリル・ストリープらの名優たち、
そしてマイケル・チミノ監督が淡々と描いた名作です。
延々と続く盛大な宴会からはじまり、残された友人たちとのささやかな誓いの乾杯で終わる本作。
1978年に公開され今日まで名作として多くの人の心に刻まれてきました。
そして、この作品はもう一つ現在まで続く名作を生み出しています。
テーマ曲の「カヴァティーナ」です。
スタンリー・マイヤーズ作曲のこの曲、クラッシックギター好きなら必ず聴いたことがあると思いますが、
多くのクラシックギター奏者に演奏され名曲として親しまれています。
オリジナルはジョン・ウィリアムスという奏者によるのですが(上記リンク)、素朴で繊細な演奏は疲れた心を癒してくれます。
先ほども言いましたが、多くの奏者が演奏しているので、それぞれの解釈の違いを聞き比べるのも面白いです。
特にこの「カヴァティーナ」はシンプルな曲なので解釈の違いが割とハッキリと演奏に出るように感じます。
その中でもイチ押しなのが押尾コータローさんの演奏です。
1999年。
私の出身地である大阪府豊中市のお隣、吹田市在住の押尾青年は
とんでもない自主制作(インディーズ)CDを世に出します。
それがインディーズ1作目(!)のアルバム「押尾コータロー」です。
この時メジャーデビューはまだですが、ミュージシャンとしてのデビューアルバムと言っていいと思います。
これ、妻の友人が「気に入るはず」といってプレゼントしてくれたのですが、いやー、気に入るもなにも…すごいっす。
アコースティックギター(アコギ)1本でオリジナル7曲、カバー6曲という構成の渾身の13曲ですが、
このカバーの中に彼をメジャーへと押し上げる原動力となった「戦場のメリークリスマス」が収録されています。
まぁカバーというか完全に押尾コータローさんの楽曲になっちゃってるんですがね。
確かな技術をベースとした、アコギ一本で弾いているとは思えない独創的な奏法、多彩な音色。
この他にも名曲が揃っていて、いつまでも飽きの来ないアルバムです。
彼のキャリアでこれを超えるアルバムが生まれたのか心配になるほどです。
で、その中に「カヴァティーナ」もあるのですが、これが実にいいっ!
クラシック畑の奏者はそれぞれの解釈はあるものの、やっぱ映画音楽の枠から出ていないというか、
ジョン・ウィリアムスさんの演奏の雰囲気、素朴な響きなんですね。もちろんこれはこれでいいんです。
押尾バージョンは奥行きが深くて、少し華やかさが感じられるんです。
クラシック勢がナイロン弦に対して、押尾コータローさんはいわゆるフォークギターでスチール弦なので
響きや雰囲気が違うのは当たり前なのですが、タメや間のとり方が微妙に違っててそこが好きなんです。
こんだけ言っといて音源、探したんですけど見つからなくて…。(こちらで購入できるみたい)
そのかわりにこんなの見つけました。
「一人メンバー紹介」というやつで、多分メジャーデビュー前だと思うんだけど、
「バナナホール」という大阪の老舗ライブハウスの20周年ライブに出演した時もこんな自己紹介をしてたような。
ちなみにこの時の出演者が凄くて、Charさんと石田長生さんのギターデュオ「BAHO」
関西ではスーパーVIPである「憂歌団」の木村充揮さん。
そして押尾コータローさんという豪華すぎる顔ぶれでした。
木村さんは完全に酔っぱらってて、弦を何本か切っちゃうほどエキサイトしている姿が目に焼き付いていますw
・・・まぁ、というわけで押尾コータローさんの「カヴァティーナ」、ぜひ他の奏者の演奏と聴き比べてみてください。
ではでは、チャオッ。
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