川崎市中部リハビリテーションセンターを訪問してきました!
川崎市中部リハビリテーションセンターを訪問してきました!
———————————————————————————————————————————–
川崎市中部リハビリテーションセンター中部在宅支援室
濱口陽介様
川崎市立看護大学のボランティアサークル「川崎リンクス」のH.Tです。川崎つながろ会の「地域を知ろう!学生記者が聞いてきました」企画の一環で、川崎市中部リハビリテーションセンターを訪問して、中部在宅支援室の濱口陽介さんにお話を伺ってきました。
川崎市中部リハビリテーションセンターとは??
———————————————————————————————————————————–
(記者H.T)川崎市中部リハビリテーションセンターとはどのような仕組みですか?
(濱口さん)
川崎市では、総合リハビリテーション推進センター、総合研修センター、地域リハビリテーションセンター(北部・中部・南部)の3拠点で、地域リハビリテーションを提供しています。
地域リハビリテーションセンターは、官民合同のセンターで行政部門の「地域支援室」と、民間の社会福祉法人等が運営する「在宅支援室」が連携をして業務を行っています。
「誰もが住み慣れた地域や自ら望む場所で安心して暮らし続けることができる地域を実現する」という地域包括ケアの視点に立ち、障害の有無や障害種別、年齢等に関わらず、専門的かつ総合的支援を必要とする全市民を対象とし、地域リハビリテーションの理念に基づいた個別支援と地域力の向上を推進しています。
(概要) https://www.city.kawasaki.jp/350/cmsfiles/contents/0000148/148472/02chiikirihga.pdf
[仕事内容]
———————————————————————————————————————————–
(記者H.T)どのような仕事をしているのか教えてください。
(濱口さん)専門的・総合的な視点で全市民が自分らしく生活できるためのお手伝いをしています。
◯個別支援(専門性)の強化
◯地域力向上を図るための企画(普及啓発活動、ネットワーク作りなど)
(補足)地域住民の関係や体制がより良くなるように
◯総合相談・総合評価: 看護師または保健師が最大4人体制で相談を受ける
◯サービス事業:在宅リハビリテーションサービス事業がある
(概要)https://www.city.kawasaki.jp/350/page/0000024351.html
(補足)事業化することで市民サービスとして提供できる
◯福祉用具の評価の相談・作製: かわさき基準(KIS)の認証に向けたモニター・セラピスト評価。福祉用具の普及のサポート、生活をより良くするための環境整備など
(概要)https://www.city.kawasaki.jp/280/page/0000083978.html
(左)浴室内手すり装着の調整装置 (右)階段段差の調節装置
[この場所で仕事を始めた理由・経緯]
—————————————————————————————————
(記者K.K)この仕事を始めた理由や経緯を教えてください。
(濱口さん)経緯はこうです。
−経歴−
・福祉系の会社に勤務
・訪問リハビリの方と出会い、刺激をもらう
・母親からの提案でOT(作業療法士)の試験を受ける
・社会人枠で合格し、四年制のOT(作業療法士)の養成校に通う
・卒業後、授業で出会った地域リハに詳しい先生が勤めていた“川崎協同病院”に勤務
・リハビリテーションセンターに勤めるOT・保健師からスカウトを受ける
・興味を持ち始め、川崎市社会福祉事業団“れいんぼう川崎”※1に入職
・同法人内の異動で “北部リハビリテーションセンター”に異動
・同法人内の異動で“中部リハビリテーションセンター”へ異動。現在に至る
(濱口さん)ここに勤務しているのは『繋がり』が大きいですね。母に紹介してもらって、訪問リハさんに出会って、リハセンターの人に誘ってもらって…。とにかくたくさんの繋がりがあったおかげで今に至ります。作業療法士になって良かったと心から思っています。
(濱口さん)もう約18年作業療法士をやっていることになりますね。
病院に約4年勤めて、以降はずっと地域・在宅の領域で働いています。
※1れいんぼう川崎:「地域リハビリテーション」の理念に基づき、1996年4月に開所した施設。障害を持った人が住み慣れた地域でその人らしく、元気で暮らしていけることを支援している。
[仕事をする上で意識していること]
———————————————————————————————————————————–
(記者K.K)仕事をする上で意識していることを教えてください。
(濱口さん)3つのことを意識しています。
利用者さんへ「あなたに関心があります」という態度・姿勢を見せるようにする
…初めて来る人は特に、自身のこれまでの生活について具体的に話すことは難しいです。そのため、「この人になら話してもいい」と思ってもらえるような態度や姿勢で接するようにしています。
キャッチした利用者さんの情報を自分の中でよく噛み砕き、具体策を考える
…せっかく教えた頂いたことなので、一つ一つの情報や希望が生活の改善に繋げられないかをチームで考えます。ご利用者さんの希望に対して、漠然と支援の案を提案するだけでなく、具体的な生活や行動に繋がるように示すことが大事です。最終的には、ご利用者さんやご家族が意思決定出来るようにメリット/デメリットを含めて複数の支援案(プラン)を提示することが重要ですね。
人との繋がりを意識する
…日々の支援は一人で解決できるのものではありません。そのため、車椅子や福祉用具に詳しい人と繋がったり、研修に行って他の職種の人と繋がるなど積極的に行動しています。こうすることで、支援の質が向上したり、提案できる支援案(プラン)などが増えます。結果、利用者さん本人らしい生活が戻ってくることに繋がると考えています。
[地域連携で意識していること]
———————————————————————————————————————————–
(濱口さん)施設単位で実施していることとしては、毎年2〜3回ほど訪問看護師さんと訪問リハさん向けに、中部リハビリテーションセンターで研修を行なっています。この研修会を行うことで、リハセンターのことを知ってもらえるというメリットがあります。今年はケアマネージャーさんも対象に加える予定です。参加者の方が“横の繋がり”を構築できるように、内容を工夫し続けています。
[最後に一言]
———————————————————————————————————————————–
(濱口さん)ご本人らしく生活できるようにお手伝いしています。
何かお困りのことがありましたら、最大限お手伝いさせていただくのでよろしくお願いします。
[事業者紹介]川崎市中部リハビリテーションセンター,
https://www.city.kawasaki.jp/350/page/0000127688.html
[学生記者の感想]
———————————————————————————————————————————
・今回取材させていただいて、川崎市中部リハビリテーションセンターの役割を認識し、地域住民がその人らしく過ごせるよう多方面からの視点で支援を継続的に行なっていることが分かりました。このような施設が川崎市のみにとどまらず、全国へ普及するべきだと感じました。(H.T)
・世代、性別を問わず施設を利用でき、補装具や福祉用具の作製や導入の提案を行なっている福祉施設は、私はこれまでほとんど聞くことがなかったのでとても新鮮な気持ちになりました。こういった施設が川崎市以外にも普及していくことが多くの人の生活の質を向上させていくのではないかと考えました。(K.K)
・今回の取材を通して、リハビリテーションセンターの支援により、多くの市民の方々が自分らしい生活を安心して送ることができているということが分かりました。また、利用者の方と接する際は、親身になって相手の話に耳を傾け、会話の中で得られた細かな情報も活かしていくことが、より良い利用者の方への支援の提供に繋がるのだと感じました。(M.S)
〈参考・引用文献〉
※1 社会福祉法人川崎市社会福祉事業団れいんぼう川崎.“れいんぼう川崎”.
https://sites.google.com/site/kawasakishirainbow/home ,
(参照2023-09-25)
最近のコメント