松五郎とガンプと定例会報告

こんにちは!川崎つながろ会の杉田です。

さぁて、元気よく月例会の報告をしたいところなんですが、リアル開催のはずが、

オミクロンとか言うプレデターのツレみたいな名前した風邪が

急激に勢力を拡大しやがって、なんと、リモート開催になっちゃいました!

というわけで、第34回川崎つながろ会月例会(zoom)の報告をさせていただきます。

リモートで(´・ω・`)ショボーンとなってるとお思いでしょうが、ところがどっこい!

今回は(ほぼも含め)初参加が3名いらしたんですっ!

当事者が1名、支援者が2名です。この3名を何とかつなぎとめるためにも活動を活発にしていかないと!です。

そんなわけでいきなりですが…

 

つながろ会アウトドア企画「高尾山で景色は堪能せずビールを堪能するツアー!(仮)」プロジェクトが始動しました!

すでに偵察部隊を現地に送り込んでいて、情報収集とルート選定に着手しているはずです。続報を待て!

 

そして来年度は2つのセミナー?講演会?を予定しています(言うてもた…)。

1つは防災に関すること、もう1つは栄養管理に関することを考えています。

こちらも…続報を待て!

 

当事者からの相談事もありました。この日は相談者以外に当事者が3人、ナースが2人いました。

・胃ろうを強く勧められている(ご本人はまだ不要では?と)

髙野会長:早めにつくるのを勧めますが、わたしは訪問看護師に半年説得されました。口から食べられなくなると思いこんでいて、躊躇していました。食事に1時間かかるようになって決断しました。胃ろうを作ってすぐに食事に2時間かかるようになり、胃ろうを使い始めました。

当事者Eさん:2年間増設してから使わず最近使うようになりました。2年間何もせず放置で問題なかった。お風呂上りに薬を塗るだけ。

ナースW さん:体重を落とさないことが病状の進行を抑えることにつながるという意見が浸透していて、早めに胃ろうを作って体重維持をすることが重要となっている。

・経口食でいいものはないか?という相談もありました。

とろろでくるんだきざんだ刺身、卵と牛乳を混ぜたバナナジュース、(寿がきやの)うどん(カレー、ちゃんぽん、関西風)

 

そんなわけで和やかに終わった今月のつながろ会。

来月2月は再びオンラインですが、オミクロンは2月に収束すると知っているので(願望な)、3月はリアル開催しまっす!

そして詳細は…またまた続報を待て!

ということで報告終わります~。また2月にお会いしましょー!

 

 

不定期企画「今こそ観るべき古い映画」のコーナー!

はい、今回から始まった新コーナー(いつものひとりごと)。

最初の作品は「無法松の一生(1958年版)」どぇーす。

主演はわれらが三船敏郎さん! チャンネル変えてたらこの人出てたから止めて観だしたんだよね。

それにしても、この人のこの眼の輝きはなんなんでしょうか。松五郎役はこの人をおいて他になし。そんな感じです。

共演は高峰秀子さん。おきれいです。完璧です。

この映画は、

「役者になるために生まれてきたお二人の作品」

なのです。

おもしろいに決まってます。

 

そして笠智衆さんが大事な場面でちょこっと登場し、松五郎という人物に奥行きを持たせます。

ちょっと話すだけですが説得力がすごい。

 

調べてみるとこの映画、第19回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞してました。

世界で認められた作品だったんですね。

 

これ最初に観たのは10年くらい前だと思うんだけど、

途中から観たくせになんかスゲェ感動したのを覚えてる。

ものすごい一途さと献身、そして「いわれのない差別」というバリアの非情さ。

とにかく心に残る作品だった。

今回またしてもネトフリで発見し、もう一度観てみることにした。

 

初めて観た時は途中からだったのでわからなかったが、オープニングの製作スタッフクレジットに

「脚本 伊丹万作 稲垣浩

とあった。

 

伊丹万作さん

映画監督でも有名な伊丹十三さんの父親だ。

だが私が伊丹万作さんを知ったのはずっと昔に読んだ本で紹介されたある文章でだ。

「だまされたということは、不正者による被害を意味するが、しかしだまされたものは正しいとは、古来いかなる辞書にも決して書いてはないのである。だまされたとさえいえば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘ちがいしている人は、もう一度よく顔を洗い直さなければならぬ。しかも、だまされたもの必ずしも正しくないことを指摘するだけにとどまらず、私はさらに進んで、「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」ことを主張したいのである。」

伊丹万作・戦争責任者の問題より抜粋

日本中で「私らは騙された」と言って敗戦の犯人探しをしていたであろう1946年に発表されたものだ。

ぜひ全文を読んでいただきたい。

これを読んだ当時の私は伊丹万作という人物に気骨を感じつつ

「この人はフェアな人だなぁ」と思ったものである。

そんなフェアで気骨のある漢が、松五郎が生きた明治から大正を描くとき、

やはり偏見や差別を描かずにはおれなかったんだろうなぁ。原作がベースではあるが。

 

こんなシーンがあった。高峰秀子さんが演じる吉岡良子が息子・敏雄に松五郎がいかに優れた人物かを語るシーンだ。

 

「おじさんはただ走るのが早いだけじゃありませんよ。松五郎さんは生まれつき運が悪くて車なんか引いておられるけど、あの人がもしか軍人なら間違いなし少将ぐらいにはなれる人だって…お父様も言うておられたぐらいよ…。」

 

高峰秀子さんに本当に「これ以上ないというほどに優しく」言わせたセリフである。

良子は心から松五郎を信頼し尊敬している。そんな風に見える、美しいシーンだ。

しかし、葬儀社で働き職業差別を受けた経験のある私は

「運が悪くて車なんか引いておられる」

の一言を聞き逃せませんでした。

松五郎は所詮「車なんか引いている人」なのである。

もちろん良子は本当に信頼し尊敬していたでしょうが、

前提として「住む世界が違う」という、意識などしないほどに良子の中に染み込んだ常識という名の差別意識。

これはおそらく当時の日本人の多くが持っていた意識なのだろう。それを良子を通して私たちに見せようとしたのではないだろうか。

 

結果的にこの「松五郎は車なんか引いてる人」という潜在的な差別意識が悲しい結末につながっていくのです。

 

良子は「もしか軍人なら」と言っているが、どう見ても車引きは松五郎の天職であり、当時すでに高い社会的地位があり、

厳しい階級制度で成り立っている軍という組織の中で、松五郎が伸び伸びと活躍できるわけがない。

ただ、人間としての技量、器の大きさをわかりやすく説明するために

軍人の言葉(階級制度)を用いたんだろうね。

 

今回観ていて思い出したのがトム・ハンクス主演の映画「フォレスト・ガンプ」。大好きな作品です。

主人公の純粋さと走り続けるイメージがダブってね。

様々な差別や偏見の中でも全く気にせず、伸び伸びと生きる姿もまたダブって見えます。

松五郎は時代を超えて輝くキャラクターであり、作品は永遠のテーマを描いた不朽の名作だと改めて思いました。

「無法松の一生」

是非一度ご覧ください!

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